わたしが経験した精神医療の倫理違反(一部準備中)

2007年、くろたけ記

2007年になり、状況も気持ちも変わったので、このページも新たに書き直す必要を感じるようになりましたが、いずれ「手記」を出版する予定なので、簡単に事件の概要だけを書いておくことにします。

・この事件には、@インタビューアーであり論文を書いた執筆者(女性精神科医)、Aその論文を収録した論文集の編集者(女性教員、国立大教員、当時助教授)、B性暴力を専門にする女性弁護士の3人が関与しています。

・事件そのものは、2003年3月に、研究目的のインタビューで起きました。精神科医が自分の性体験(自身の恋愛や結婚、自慰やセックスなど)を開示して調査するなど倫理上不適切な内容のインタビューであった上に、わたしの許可なく活字として論文に書いたたため、わたしは極めて体調を崩し、健康被害を受けました。

・インタビュー内容が論文に収められ、2004年3月に、「論文集」(科研費助成研究)として出版されました。論文の執筆者はわたしの同意を得たように考えているかもしれませんが、わたしは同意を正式に求められたことはありません。

・3年後、仲介者を交えて、論文の執筆者と交渉し謝罪や治療費の負担をしてもらい、いくぶん気持ちが楽になりました。

・とろころが、論文取り下げに関して、「論文集」の編集者(国立大教員)に問い合わせたところ、いきなり「違和感を感じる」とか、この件に関与しないなど連絡を断たれてしまいました。さらに弁護士を通じて、同様の内容証明で手紙が来たため、論文についてはな泣き寝入り状態になっています。この編集者は説明責任や、出版後の事後責任など、倫理上必要な措置をしてません。

この論文集は、トラウマとジェンダーの関わりを研究目的とする文科省の科研費(国費)を利用した研究です。この編集者はその代表であり、国費を使った研究にたいする責任もあります。

このほか、両精神科医は日本トラウマストレスチック学会の役員で、同学会で上記科研費による研究を発表しており、当然わたしへのの不正なインタビューも発表に含まれていると思います。

・この事件の問題点を、被害当事者の立場から見て整理しておきます。
 @精神科医が自分の性的体験を開示するなど、不正な性的接触をして調査をおこなった。
 A許可無く論文に書いたこと。
 B調査直後、健康被害を受けたにもかかわらず、なんのケアも提供しなかった。
 C編集者(女性精神科医)は、国民の税金を使った研究で、不正な研究を出版した上に、謝罪も説明責任もしなかった。  しかも、不正研究を含むこの論文集を自分の業績の一部として、助教授から教授になっている。
 D論文発表および取り下げに関し、編集者(精神科医)と弁護士が連絡を断ったり、責任逃れなど、研究倫理上および税金使用者の倫理として不誠実な対応をした。
 E学術界にたいして、正確な研究を提供する責任を怠った。

・そもそも、倫理上許されないインタビューであり、かつわたしが健康被害を受けたインタビュー内容であるため、このインタビュー記事は、ちょうどフラッシュバックを起こさせるように、わたしの体調を悪化させ続ける要因になっています。論文は撤回し、編集者ほかあらたあめて謝罪すべきと考えています。また税金を使った研究であるため、公的に説明責任を果たすべきだと思います。

 


【事実誤認や名誉毀損に関するお断り】

このわたしが経験した倫理違反事件の報告について、「事実の間違い」「法に触れる内容」(名誉毀損、人格の罵倒、関係者のプライバシーの侵害)などがあれば、くろたけまでご連絡ください。内容を検討して、訂正に応じます。
ただし、事実である事柄や、わたしの考えや感じたことは、原則として、訂正には応じられません。

今回の倫理違反事件について、いつか正式に報告したいと考えています。

理由は、いまだ社会的にじゅうぶんに認知されていない「精神医療やメンタルヘルスにおける倫理違反」に社会の光を当て、具体的に再発防止策や、被害者の救済策を確立することで、精神医療の質を向上させるための事例として提供しゆきたいからです。
また、クライアントからの苦言やクレーム、支援におけるミスなどを検討することが、支援の質の向上をもたらすことを、多くの方々に理解してほしいからです。

くろたけ宛メール


【ごあいさつ】
※2007年はじめに書いたものです。

サバイバー(性被害者)であるわたしは精神科医による倫理違反によって、たいへんな心理的ダメージを受けました。その事件から、実に4年あまりが経過して、ようやく出来事の一部を語れるようになりました。

ただ、幸いにも、このとき受けたダメージそのものは、先方の医師がわりあい良い人だったので・・・、とはいえ、やっとのことで謝罪や治療費ほかを負担をしてくれたのですが、それでもかなりよく気持ちが楽になりました。

性暴力の場合もそうですが、倫理違反事件の場合でも先方(加害側)が謝罪してくれると、被害者の精神的な快復は劇的に進むと思います。少なくとも、わたしの場合はそうでした。

とはえい謝罪や補償をしてもらうまでに数年の時間がかかっため、その間にこの事件による傷は悪化し、まだ取り組まなければならない後遺症が残っています。特に、論文の取り下げがないかぎり、完全な回復はあり得ません。

それに今度の事件は、わたしが過去に受けた複数の虐待経験よりも、ずっと重い症状を呈しました。

そのような傷を抱えながら、いったいどうやってこの事件の痛みを癒していいかも分からず、ただただ、おろおろと情報やサポートを探し求めることは、たいへん、みじめで、つらい体験でした。

同時に、先方の精神科医の心理的、金銭的負担も大きなものとなったことでしょう(わたしが心配することではありませんが)。

ただ、先方はわたしの件を学会や論文でも発表しています。論文は、文部科学省の「科研費」の一貫で、報告書として出版されました。

やっぱり論文取り下げは当然のことなのですが、編集者の精神科医や先方の女性弁護士などが不誠実な対応をしており、困難な状態にあります。その論文が今後も他の研究者に読まれたり引用されたりするかと思うと、それだけで気分が悪くるので、一刻も早く修正してほしいと思っています。

今回の事件で切実にわたしが思ったことは、メンタルヘルスの倫理違反の被害者が使える情報もリソースも共感も皆無に近い。

その上、精神科医やカウンセラーなどの専門職や学会は、倫理違反の被害者の気持ちや困難を理解しようととか、共感しようとする姿勢がまったくといっていいほどなく、たいへん「冷たい」世界だということです。

(注:その後、このような倫理違反に関心をもつ専門職とも出会う機会を、しばしば持つ機会に恵まれました。
また先方の医師もこのような倫理問題に取り組んでくれているそうです。)

そこで、このような起きてはならない事件を防ぐために、そして同じような被害体験を持つ人々と気持ちや情報を共有して少しでも傷を癒すために、自分の体験を語りはじめました。

また、下記のように倫理違反を考える掲示板を設置しました。被害者だけでなく、このような問題に関心のある方でしたら、どなたでも投稿できます。

休止中です。もう一つの掲示板を利用して下さい。

【掲示板】

【’精神医療やカウンセリングの倫理違反などを考える’】

みんなで助け合ってゆきましょう!!

 


「手記」および「事件の経過」 (準備中です)

2007年2月、「ブログ」を開設しました (休止中です)


【性被害者へのインタビュー問題】

わたしの倫理違反事件は、性虐待を研究する目的の電話インタビューによって起きました。後に知ったことですが、そのインタビューは安全の確保を欠いた、医の倫理上してはいけないタイプのインタビューだったのです。

性被害者へのインタビューや調査は独特の難しさがあります。今後、安易なインタビュー調査が研究者によって行われないようにするために、今度の体験をもとに、性被害者へのインタビューで注意すべきことを書きました。

同じ事故を繰り返さないために研究者の方にこの内容を広く伝えてください。また、面接・電話・記入式などの各種調査を受けようとするサバイバーの方にも参考になるようでしたら幸いです。

また、調査をするインタビューアーが性的体験を開示したため、わたしは著しく心身の調子を悪くしたという問題もありました。インタビューでも調査者は自身の性的な話をしてはなりません。

余談ながら、カウンセリングや診察において、精神科医やカウンセラーなどの治療者がクライアントと性的関係を持つことは禁止されています。もしあなたが治療者の振る舞いが性的に不適切だと感じたとき、あるいは性的な関係になったとき、その状況を理解し、対処するために、下記文献が役に立つでしょう。

★アメリカ心理学会女性委員会(ワシントンDC)「心理療法にセックスが入ってくるとき」女性ライフサイクル研究所『女性ライフサイクル研究』・バックナンバーから論文集より)

 

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男性のセクハラ被害者が、大学による二次被害と臨床心理士の守秘義務違反を訴えた裁判の判決(名古屋高裁)が、9月8日にあり、勝訴しました!!
ご支援ありがとうございました。
 詳細はコチラ


【医療過誤・倫理違反に関するリンク集】

※医療過誤などで検索すると、他にも各種の支援が出てきます

文部科学省の研究の不正行為(研究成果の捏造、改ざん、盗用)の告発受付窓口
  2006年、文科省の研究において、不正があった場合の告発を受ける窓口が設置されました。

文部科学省の「研究活動の不正行為に関する特別委員会」
 
 科研費研究などに関し、研究者や論文の不正について、文部科学省の研究会。この会議は一般傍聴ができる。

ハーバード大学病院『謝罪マニュアル: 本当のことを話して、謝りましょう』
 
医療事故:真実説明・謝罪普及プロジェクト
ハーバード大学病院で使用されている「医療事故:真実説明・謝罪マニュアル: 本当のことを話して、謝りましょう」の全訳が、紹介されています。すばらしい。こういうマニュアルにそって、精神科医達も医療ミスに対応してくれれば、クライアントは安心できるのにね。

勝村久司さんのホームページ
医療事故でお子さんをなくした高校の先生のページ。市民運動家としてたくさんの活躍をしています。

(財)医療安全支援センター
だめでも元々と思って、まずはここに相談してみるのも良いと思います。政府は安全で安心できる医療の構築を目指し、平成15年度から医療に関する患者と患者の家族などからの相談や苦情に迅速に対応するために、「医療安全支援センター」の設置を都道府県や保健所設置市区などへ協力をよびかけており、同センターの設置が全国的に進められています。

(財)日本医療機能評価機構
第三者機関として日本の病院を評価する財団。部分的ながら医療事故の情報収集・分析・報告もしている。

NPO法人 患者の権利オンブズマン
「苦情から学ぶ医療をめざして」
 患者本位の開かれた医療の実現と定着を目指し、患者・家族の苦情が医療側に届いて、迅速かつ適切に調査・解決されるよう、患者・家族が勇気と自信をもって医療側と対話し自ら問題解決に取り組むことができるよう、市民相談員と法律専門相談員が、無料で面接相談および支援活動を行っている。

医療過誤原告の会
私たちは、医療過誤による被害者とその家族の会で、裁判支援などをしている。

医療事故調査会
医療事故の鑑定を柱に活動している医療従事者の団体。弁護士からの依頼で医療記録等の客観的に調査のできるデータをもとに面談・鑑定意見書の作成を行っている。

精神科医を訴える
精神療法・カウンセリングによる医療過誤をめぐる民事訴訟。治療における治療者の倫理や転移・逆転移についてのコンテンツも豊富。また医療過誤調査会や相談機関のリンクも豊富です。

名城大セカンドセクハラ訴訟☆カウンセラーに漏らされた!☆
男子大学生が教師や上級生よりセクハラを受け、それを学内のカウンセラー(臨床心理士)に相談したところ、そのカウンセラーが相談内容を勝手に漏洩し、結果、甚大な二被害を被ったという事件がありました。大学およびカウンセラーの守秘義務違反・倫理違反を問う民事裁判を起こした当事者によるブログです。

医療事故情報センター
医療事故の再発防止、被害者の救済等のため、患者側で担当する弁護士や、各地の協力医を含むネットワークづくりを通して、医療過誤裁判の困難な壁を克服することを目的とする団体です。

医療問題弁護団
医療問題弁護団は、医療被害の救済、医療事故再発防止、患者の権利確立、安全で良質な医療の確立などを目的として1977年に設立されました。現在、このような弁護団の趣旨に賛同する約200名の弁護士(主に東京の3弁護士会所属)が参加しています

 


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